2004年4月15日(木)17:41

シュレーダー首相:「大国のEU支配はない」

ロッテルダム(AP)

ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相は、将来EUが少数の大国に支配されるのではないかという危惧を否定した。「欧州統合の実現に一国が及ぼす影響は、もっぱらその国力に左右されるものではない」。重要なのはその国の唱える理念や提案、および欧州統合に携わる人物である、と首相は木曜日、ロッテルダムのエラスムス大学の学生を前に演説した。

シュレーダー首相はロッテルダムを皮切りに7時間のオランダ短期訪問をスタートした。今晩はデンハーグでベアトリックス女王の歓迎を受け、続いてヤン・ペーター・バルケネンデ首相との会談が組まれている。両首脳の会談では両国関係と国際情勢のほか、とりわけEU政治が話題となる予定である。オランダは7月1日から半年間の任期でEU議長国を務める。

シュレーダー首相は演説の中で、独仏の協力関係が今後も欧州統合の成功に決定的な役割を果たすと強調した上で、しかしそれは他の国々に何かを指図したりすることではないと付け加えた。「そのような関係は私たちの意図するところではないが、さもなくとも欧州連合の機構上の規則が他国に対する大国の支配の試みを阻むであろう。」

EUは将来いくつかの分野で「一群の加盟国による先行を認めるような方策をきわめて実際的に考えるべきであろう」とシュレーダー首相は主張した。さまざまな速度の欧州統合はすでに今日現実のものとなっていると首相は述べ、例として経済・通貨同盟、シェンゲン協定、およびEUの共通安全保障・防衛政策を挙げた。

EUの大国の支配に対する懸念は、とりわけ2月にベルリンで開かれた三ヶ国首脳会談以降高まった。 この会談では、シュレーダー首相、フランスのジャック・シラク大統領、イギリスのトニー・ブレア首相がそれぞれのEU政策に関する意見の調整を図った。

シュレーダー首相は、欧州憲法に関する交渉を今年の上半期中に完了させるという目標をあらためて主張した。今年下半期に予定されているEUの次期財政案に関する交渉を踏まえて、首相は欧州連合の総支出を現在の水準に固定化する必要があると強調した。「人々の痛みを伴う予算カットも含め、国家予算が引き続き削減されねばならない状況の中、EUの予算だけが膨張の一途を辿るならば、加盟国の人々に納得してもらうのは難しい。」

シュレーダー首相はあらためてトルコ政府の欧州連合加盟に向けた努力を支持する旨を表明した。トルコが政治的基準を満たせば、加盟交渉は開始されねばならない。「これは私たち自らの信用とこの国に対する敬意に関わる、私たちの当然の責務である」と首相は語った。加盟交渉開始の決定は12月のEU首脳会議で決定される予定である。

原題:Schroeder: Keine Dominanz grosser Mitgliedstaaten in der EU




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